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世界の装身具-指輪・耳飾り-ハンドリングゼミ 第4回

ここでは、会員のゼミでの感想や気づいた点、意見、お寄せいただいた図書資料情報などを掲載します(順不同)。


角元 弥子 さん

北アフリカとサブサハラの北部の地域の指輪と耳飾りをハンドリングしました。
目にするチャンスの少ない装身具を手にとって観察する、貴重な機会をありがとうございます。

アフリカは装身具以前の装いについて知らないことが多いので、ゼミの前に少し予習したいと思い、ジュエリーライブラリーで『AFRICA ADORNED』というアフリカの写真集を見ました。

裸体に近い生活をする民族ほど、身体の改造も含めた装身行為のバリエーションが多く、装身具を身につけることが「装身」の手段のひとつでしかないことを思い知らされる本でした。
(余談になりますが、アフリカ地域ではヘアスタイルの探究心が強く、日本製のウィッグも人気が高いそうです)

ハンドリングの時間に拝見した、どう見ても邪魔になるような指輪も耳飾りも、彼らの装身行為のツールとしてはごく控えめに思えてきます。

以下、個別に気になったものについて。

(No.23 指輪 マリ、ニジェール)

似たリングが載った本の説明文を添付します。
文中の「Tifinagh characters」はティファナグ文字のことで、wikipediaによると、ベルベル人の一部であるトゥアレグ人が、トゥアレグ語の書き文字として使う文字のことだそうです。

また、格子に数字や文字を埋めてお守りとする文化は、世界中にあるようです。(興味のある方は"魔方陣"で調べてみてください)
残念ながら、いくつかのアルファベットとの対応表を見ても解読は出来ませんが、ゼミで話題になった意外なつけ心地の良さとともに、印象に残る指輪です。

(No.18 耳飾り ニジェール)

似たものの着用状態の写真が載ったサイトがありましたので、画像のみ拝借して添付します。
あまりにも重いことがゼミでも話題になりましたが、このような着け方だと納得感があります。

次回も楽しみにしております。
どうぞ宜しくお願いいたします。


山岸 昇司 さん

2指輪 スーダン 
面のデザインを見たときにハワイ・モロキニ島に星を合成した写真を思い出しました。
地域が違っても月や星に対する人間の思い入れは時空を超えて同じ感覚を持つのだな〜と感じた次第です。

写真1  写真2

このゼミで手に取って見させて頂いていると地域が違うとかくも装身具に対する感覚が違うのかとその相違点に驚くことが多いものですから月と星の構図を見たときに逆の意味で面白く思ったのでした。

6と7 指輪 モロッコ
デザインが今、日本でも売れそうな感じです。地中海に面したモロッコですからアルカンサス風なのかはたまた全く別のモチーフになのか 興味がわくところです。ちなみに私なら6番のリングが好みです。

23指輪 マリ ニジュエール
板を丸めただけの指輪、ヒエログリフ風の彫面を第一に重点を置いて作られた感じがしました。
大切な言葉を身に着けていたいという思いが伝わってきます。
ポージーリングや般若心経を彫り込んだ指輪などが想起されました。

30 33 指輪 ニジェール チャド
全周を爪で囲っている指輪ですが石(ガラス?)の長辺部分の爪が長年の使用によりすり減ってなくなっています。
愛着をもって毎日使用していたことがうかがい知れます。それにしてもどのくらいの期間愛用していたのでしょうか。
それとも各指に何本も着けていて共ずれして短い期間にこうなったのでしょうか。その土地の装う文化を知りたくさせる指輪でした。

先日、露木先生からお知らせのあったNHK番組トン族の祭りの正装にテキスト 「神々の宿る銀」P040に紹介されている背中飾りが映っていて、これを手に取らせて頂いたのかと思うと、うれしくなりました。
ちなみに写真は同じ祭りの大歌を福山雅治さんが取材・コラボで熱唱しているところです。
一枚は「新郎と花嫁」です。

写真3 写真4 写真5 写真6




土田 慶太 さん

今回は、北、西アフリカの指輪、耳飾りをハンドリングしました。大まかには、モロッコのものは丁寧な装飾でカラフルなものが多い、マリ、ニジェールのものは割としっかりとした作り、モーリタニアのものはとても軽いという印象でした。信仰、生活環境などでこのように異なるのでしょう。今までアフリカについて調べようと思ったことは無かったのですが、装身具を通じて興味が湧いてきました。

今、受講しているゼミとは関係ないのですが、最近、アイヌ民族や琉球民族の装身具が気になっています。機会があれば見てみたいものです。

 


幸谷 由利子 さん

印象に残った一点 No.10 指輪モロッコ

指輪の装飾として、アラビア文字が表記された銀貨と、「種蒔くマリアンヌ」のフランス・50サンチーム銀貨がぶら下がるデザインを面白く思いました。と同時に、指輪部と銀貨を繋ぐ金具が、マリアンヌの頭部を貫いて付いている事に、違和感も覚えました。
フランス・50サンチームは銀貨としても美しく、それを指輪の飾りに使うのですから、マリアンヌの姿も美しく見せるように留めるべきなのでは、と思いませんか?
しかし、モロッコが1956年に独立する以前、1912年よりフランス(並びにスペイン)に保護領とされていた歴史がある事を考えると、フランスの象徴マリアンヌに敬意を払わないデザインで留め具を付けた事に、文化背景による意図を伺えるようにも思えます。
(指輪の制作年代は不明ですが、この銀貨の発行時期は、1897-1920年です。)



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