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日本の装身具ハンドリングゼミ 第3回

ここでは、会員のゼミでの感想や気づいた点、意見などを掲載します。


青木 千里 さん

木は本当に個体差もあって難しいです。唐木が好きで、お箸を磨く事を少し楽しんでいます。何本も何本も実際に手に取って扱うと違いが見えて来ます。

工芸に使われる木材を知るのに以下のサイトを参考にしました。

木材図鑑」・・・唐木は「輸入木材・南洋材」に入っています。

黒檀、鉄刀木(たがやさん)は画像をクリック、紫檀は左側の動く見出しから探してクリックして下さい。

千年の杢」・・・銘木あれこれのページに唐木が紹介されています。

本黒檀や青黒檀は1,500番以上のサンドペーパーで磨き上げるとまるで金属のような質感の仕上がりになります。
紫檀は黒檀より表面に道管のヘコミが出やすくて、サクサクした肌合い。
「紫檀」としてみなされる木は種類が多くて私はいまだに区別がつきません。奥が深い木です。
しかも木は伐採、製材されてから時間が経つと色が濃くなったり、使用すると色があせるものもあります。

少ない体験をもとに見立てた所、先日のゼミの物は
8ー3ー1・・・中央部分は木目が殆ど見えませんが、真っ黒ではなく表面に道管のヘコミが目立つことから「紫檀」であろうと思います。

8ー3ー2・・・笄の軸はその木目の特徴から「鉄刀木」であろうと思います。

8ー5ー8・・・その木目の濃淡の特徴から「縞黒檀」とわかります。色の薄い方は経年変化で樹脂成分等が出てしまったのでしょう。

8ー6ー3の簪について少し疑問に感じたことがあります。
解説では「巾着に大根」ということでしたが、長州の姫君の持ち物に大根がそぐわない気がしました。この大根みたいなのどこかで見た様な・・・。
宝づくしの図柄ってありますでしょう。あの中に「巾着、金のう」と「丁字」というのがあります。その丁字に似てると思うのですが、いかがでしょう?

参考イラスト

http://sorakara11.blogspot.jp/2011/10/blog-post_26.html

http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11019025453&GroupCD=0&no=


角元 弥子 さん

<8-5-7>象牙調の白素材に蛸唐草風の模様を消粉蒔絵

本体素材は、白い骨素材に見えます。
白甲の代用品として牛爪や馬爪がポピュラーだったのならば、象牙の代用品として馬骨や牛骨の細工物もかなり流通していたことが想像されます。

両面の両端(4箇所)に唐草が配されていますが、片面の片側(1箇所)のみ、金粉の剥落が顕著ではっきりと絵漆の弁柄色が見えています。
テキストのカラー写真で、左右の色を違えたお洒落な笄だと思ったのですが、ハンドリングすると金粉が残っており、剥落後の色なのだと分かりました。
使い手の癖(その面が触れるところに、他の髪飾りが挿されていたなど)によるものなのか、興味がふくらみます。

<8-6-4>銀かぶせの水晶玉かんざし

抽象化された文様について、何の文様かが会で話題になりましたが、笹とよく組み合わせられるモティーフ「ふくら雀」ではないかと思います。
ご参考までに、5つの弧(両翼・尾・胴体・頭)と1つの三角(くちばし)に抽象化されたことがよく分かる、ふくら雀の文様の画像を並べてみました。添付します

<その他>
研究会の後、岩崎さんからの感想で「貝螺鈿を使ったものが見られない」とのコメントがありました。
厚貝・薄貝ともに、貝螺鈿の技法は十分に普及していたはずなので、加工コストの問題ではないかと推測します。

蒔絵の加飾技術としては、貝螺鈿も含めそれほど込み入った技法が使われたものは、確かにこれまでのハンドリングで多く見られませんでした。
それは当時、普通の女性が普通に手に入れられる手頃な商品が豊富に流通したことを物語っていて、蒔絵の装身具が特殊なものでなく、 使われる工芸品として生きていたことを示すものです。

ただ、8-5-6では、薄貝螺鈿の技法で、貝でなく漆を薄い板状にし、四角く切って貼り付けた部分があり、加工コストの問題だけとは言い切れません。
螺鈿の素材の貝がどのように取り扱われていたのか、今後も注意して見ていきたいと思います。


根本 充位 さん

今回は幕末〜という多くの簪を触れさせていただきました。
毎回思うことは、20年くらいの期間を流行として変化するものを、一瞬の時間で見ることができることが醍醐味と感じます。
しかし、その数年での移り変わりでの時代背景を感じ取れるかということが、重要に感じております。
造りの繊細さというのを感じ取れますが、その一点が一体どんな金額で売り買いされ流通されていたのか、一般的なものなのか特別なものなのか気になるところであります。
あまり使われずに綺麗な形で現存し、残るものは一体どんな物語があるのか、それを想像するにはやはり時代背景を頭に入れることが重要なのではないでしょうか。
私自身どんな時代の日本なのかを興味がわくのと、その中でのどのような思いで付けられていたのかと思い考えるとワクワクします。
幕末という動きのある時代だからこそシンプルであり、小ささの中にこだわりがあったように感じました。
牛爪に数ミリのべっ甲を貼る模造、模造というよりその技術を評価するという粋な感性を聞くと、現代の完成とは全く違う、モノが讃えられる時代だったのではないでしょうか。
これらの簪をつけられる方は庶民なのでしょうか、それともある一定以上の方たちなのでしょうか、女性の立場や存在が今とは全く違う世の中でどんな方が着けこなしているのであろうか想像するところであります。
そんなことを考えながら見させていました


奥田 文子さん

第三回の研究会に参加させていただきましたが、今回もあっという間に時間が過ぎてしまいました。

櫛にしろ簪にしろ、自分にしかわからないような細かい細工に、美意識の高さ、文化の成熟を感じました。逆に、一見華やかだけれど、よく見るとよい作りではないものもあるというご意見に、利益を追求したい売り手と、流行りのものを身につけたい女性の姿も見える気がしました。

また、8−6−3 吉祥文様の簪を見たときは、いつの時代も願いは同じだと微笑ましく思っていました。しかし、露木先生から「吉祥文様は日本では縁起物だが、アジアの他の国では身につけなければ死んでしまうくらいの命懸けのもの」と教えていただき、装身具の別の一面を思い出しました。同時に、楽しむための装身具が発達した日本の平和さを、あらためて感じました。


小岩 佐千子 さん

江戸末期になると、江戸後期の巨大化した櫛、簪、笄のブームは去り手に治まるノーマルなサイズに落ち着いたように感じた。
流行はいつの時代も審美的にも実用的にも不自由なほど一線を越えデフォルメされた後、つきものがとれたようにそのブームは終焉するように感じた。
また、砂金石を使った装身具が流行し、後に砂金石が天然物か人工物か日本初の真偽を問う問題に発展し扱っていた問屋が倒産したという逸話が大変興味深かったです。’にたり’や’つつみ’などの言葉を用い人工物や模造物を大らかに楽しんできたこの時代の人々が、予め自然物として売られ購買者がだまされたことが問題だったのだろうと思うのですが、予め人工物として売られても人気を博したのではないかと思いました。
笄は、そのフォルムや素材の美しさを際立たせるシンプルなデザインが多く、 簪は、自然や四季を感じる細やかな細工が施され、職人の卓越した技巧をも魅せるものが多いように感じました。


辻 洋一郎さん

今回、際立っていたのは意匠の精密さ美しさであると思う。これまでのものと比べてみても蒔絵などで描かれている文様を見るとその細やかさが際立つ。
これは、作り手側たる職人などの認識力の向上もさることながら、それらを使用するユーザーの認識力の向上そのものが発達したからではないか?と思われる。
一つの一つの作品の進歩に職人とユーザーの進歩もかいま見れる作品群だったいえると思う。
彼らのその進歩が江戸時代末期(幕末)のユーザビリティに答えるものであったとするならば面白い。


上條 育恵 さん

研究会も、早いもので第3回目となりました。
夏の懇親会以降は、会員の方々との距離も縮まり、緊張もほぐれ楽しく臨むことが出来ました。
露木先生、戸倉様、今回も細かく行き届いた講義をありがとうございました。

実家の祖父が時代劇が好きな事もあり、
江戸町民の日常、髪型、装飾品、着こなし等を、映画やTVで目にする機会が多くありました。
(実際は衣装演出なので、装飾品の 時代背景としては有り得ない部分もあると露木先生から伺いましたが…)
当時の実物を手に取り、間近で拝見できる機会を頂け、大変嬉しく思っております。

まだ工具が限られていた時代に、職人が繊細な細工を創り出す制作風景を思い浮かべると、 日本の装飾技術の素晴らしさには逐一感動を覚えます。

今回の作品の中で特に印象に残ったのは、8-6-3婚礼用の簪セットと、8-6-4水晶の玉簪でした。

玉簪は、現在の和装飾品店の店頭に並んでいても、目劣りしない様なお洒落なデザインであり、自分で欲しくなってしまう程でした。

また婚礼用簪セットは、具象作品の造形の細かさもさる事ながら、縁起物のモチーフを配 したこの簪を、花嫁の女性が着用し嫁いで行く姿を想像し、時代を超えた今でも、一点一点に造る人・贈る人・贈られる人の思いが込められている事を感じました。

今後の自分の制作に向けて、改めて身が引き締まりました。
毎回、新たな発見のある研究会、次回のゼミも楽しみにしております。


立澤 真弓 さん

いつも貴重な作品を拝見出来る事を感謝申し上げます。

昨今は本をじっくり読む時間がなくなり色々な資料を読んでからセミナーに臨みたいと思いながらも、結局はJCの資料で手一杯の中、拝見させて頂いている次第です。

それでもセミナーのおかげで、江戸時代を中心にした特番や時代劇などを見る時は、以前よりも注意深く見られるようになりました。例えば、時代劇の登場人物が、拝見した装身具の中でどの作品に近いものを身につけているのか、実際にどのような生活をしてたか、など勝手に想像しながら見ています。

過日アンコール時代劇「必殺仕事人」をたまたま見ていましたが、その中で、町娘が簪職人に簪を依頼するシーンがありました。これが事実に基づいたものとしたら、私達が店でジュエリーを買うように、昔も今と変わらず町の人が職人に注文する事があったのかもしれないと思いました。




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